なぜこの本を手に取ったか
ふと立ち寄った書店で、この本に出合った。
SNSで、ユダヤ人の子どもの教育方法が特徴的だという話を見かけたことがあり、そんな好奇心から手に取った一冊だった。
読み進めるうちに、そのとき私が抱えていた問い、「働くとは何か」、「仕事を楽しむことはできるのか」に静かに光を当ててくれる本だと気づいた。
物語形式で描かれており、小説を読むような感覚で引き込まれていく。
起業を志す大学生が、アメリカで成功者たちを訪ね歩く旅の途中、大成功したユダヤ人大富豪と出会い、教えを受けながら過ごす一か月を描いた物語である。
「自由人」という言葉が突きつけたもの
遅すぎたのではないかという不安
読み始めて最初に湧き上がったのは、後悔にも似た感情だった。
人には「自由人」と「不自由人」という二つの生き方があるという。
自由人とは、自ら事業を行い、自分が働かなくても収入が入る人。
不自由人とは、会社員のように雇われて収入を得る人。
この言葉を前にして、私は思った。
若い頃に自由人を目指していなければ、その人生には辿り着けないのではないか。
すでに四十代後半の私は、取り返しのつかない地点に立っているのではないか。
後悔、不安、そして喪失感。ページをめくる手が重くなった瞬間だった。
人生を楽しむヒントとして読み直す
たとえ自由人を目指すとしても、事業を成功させるまでには苦労があり、クリアしていかなければいけないことがたくさんある。
そう考え直したとき、本書は「生き方の選別」ではなく、
これからの人生を楽しいものにするためのヒントを示しているのではないかと思えた。
私は気持ちを持ち直し、再び読み進めることにした。
言葉が未来の自分をつくる
本書の中で、強く心に残ったのは、自分の言葉が将来の自分をつくるという教えだった。
人の悪口や否定的な言葉を発していれば、未来の自分もまたネガティブなものになっていく。
この言葉は、私自身の経験を静かに照らしていた。
激務で心身が疲れ切っていた私は、口をついて出るのは不満ばかりだった。
その状態で受けた昇進試験は失敗した。
当時の私は、会社が求める前向きな人物像から遠く離れていたのだと思う。
自らの手で、自分を負の世界へ引きずり込んでいたのかもしれない。
会社が嫌いだ、仕事が楽しくない。そう言い続けても、何も生まれない。
だからこそ、言葉と考え方を改め、人生と仕事を楽しめる方向へ歩みたい。
そう心に決めた。
心に残った三つの教え
信頼される人になるということ
この言葉を読み、私は人との出会いに対する見方が変わった。
それまで苦手意識のあった懇親会や交流の場も、
人生に影響を与える出会いの入り口かもしれないと思えるようになった。
そして、相手の幸せを思って接するという考えは、これまでの私にはなかった。
しかし、ふと周囲を思い返してみると、相談に乗り、親身になって寄り添ってくれる人物がいることに気づいた。
周りの人たちは、すでにそのような姿勢で人と向き合っているのだ。
私も、そんな人物へと少しずつ近づいていきたいと思った。
ビジネスとは人を喜ばせること
好きなことを通じて人を喜ばせる。
それが幸せな人生への道なのだと受け止めた。
そして、私にとって「好きなこと」とは何か、静かに考えさせられた。
目標は心が躍るものであるべき
私は、仕事にも人生にも明確な目標を持っていない。これは私の人生の大きな悩みだ。
もし目標を設定し、一つずつ達成していく人生を歩めたなら、
きっと日々はもう少し楽しくなるのではないか。
そう思い、目標設定という行為そのものに挑戦してみたいと感じている。
終わりに
この本は、ビジネス成功の方法を通して、人生の向き合い方を静かに問いかけてくる一冊だった。
自由人という言葉に揺れ、自分の言葉の力に気づき、人との関わりや目標について考え直す。
読み終えた今、劇的に何かが変わったわけではないけれど、少しだけ視界が開けた気がしている。
迷いながらでも、言葉と考え方を整え、人生と仕事を楽しむ方向へ歩んでいきたい。
※なお、本文中の書籍の内容は、私の当時の記憶や解釈に基づいています。
書籍について
この本が、当時の自分にとってそうだったように、働くことに迷っている誰かにとって、なにかヒントになればうれしい。
気になる方は、手に取ってみてほしい。
※尚、本書は3部作になっており、私はまだ読んでいないが、下記の続編もある。
・ 「ユダヤ人大富豪の教えⅡ」
・ 「ユダヤ人大富豪の教えⅢ」
