これを実施する目的/なぜ段取りが重要か
プロジェクトの段取りとは、常にプロジェクトのスケジュールを最新化し、プロジェクトを完了させるための様々なタスクの事前の仕込みをすることと私は考えている。
段取りを疎かにすると、タスクの実施時期なのにそのタスクを実施できない状態になり、プロジェクトの推進に支障が生じてしまう。
例えば、
- 打合せを来週しなければいけないが、今からメンバーが参加出来る日を探すと2週間後以降になり、打合せを来週実施できないということが生じる。
- このようなことが生じないよう、もっと早く打合せ日を設定しておく段取りが必要であったといえる。
では、段取りにはどのようなものがあるか見ていこう。
段取りの種類
(1)定期的な全体スケジュールの最新化
定期的な全体スケジュールの最新化とは、1度立てたスケジュールを定期的に見直し最新化することである。
これを実施しなければ、今、プロジェクトは予定通りに進んでいるのか判然としなくなり、また、次にするべきことは何なのかも判然とせず迷子になりプロジェクトの遅延につながる。
それでは、全体スケジュールの最新化ですることの例を挙げてみる。
スケジュールの最新化ですること
- マイルストーン完了目途の確認と必要に応じた再設定
- 必要タスクの進捗状況の確認と必要に応じたスケジュールの再設定
- エスカレ日程(意思決定日程)に変更がないかの確認と必要に応じた再設定
(2)打合せの段取り
打合せの段取りとは、最初に例を挙げたように、前持って打合せ日を設定したり、参加者から宿題の結果を打合せに出してもらえるように事前に依頼を出したりなどの仕込みのことである。
これを実施しなければ、打合せをしなければいけない時期に打合せを開けなかったり、打合せしたかったことが打合せの中できなかったりして、最悪の場合は打合せした意味がない結果となってしまう。集まってもらう人たちの貴重な時間を有意義なものにするためにも打合せの段取りは非常に重要である。
それでは、打合せの段取りには、どんなことがあるのか例を挙げてみる。
打合せの段取りですること
- 打合せ日を予約する
- 打合せ目的・議題の設定
- 参加者に前もって検討してもらうこと(参加者の宿題)を洗い出す
- 上記3点(打合せ日程、目的・議題、参加者の宿題)を事前にメールして、参加者に打合せ目的を事前に認識してもらい、宿題を前もって実施してもらう。
(3)不足している情報の把握
不足している情報の把握とは、タスクの実行のために事前に把握しておかなければいけない情報、いわゆる諸条件を把握することである。
これを実施しなければ、タスク完了時期は迫っているのに必要な諸条件が決まっておらず、短時間に諸条件の収集作業をしなければならず、関係者にも急ぎの回答を求めることとなり迷惑をかけることになる。
また、諸条件収集~タスクの完了に稼働を集中せざるを得なくなり、他の作業に手を付けることが出来なくなり、混乱した状況に陥ってしまう。
それでは、タスク実行のための諸条件の例を挙げてみる。
諸条件の把握の例
- 意思決定者の確認:
エスカレする人数と必要期間が分かりスケジュールを正確に立てられる
- 仮定した条件が正しいかの確認:
課題対応を進める場合にその時点ではわからない条件を仮定することがあるが、この仮定を仮定のままにしておくと、最後まで課題が解決できない。そのため、仮定が正しいのかは可能な限り早い段階で確認する。
- お客様のネットワーク条件:
お客様のネットワーク環境にあった提案が出来なくなるため、よりお客様に受け入れられる提案をするために把握する
- 契約書類の不明点の確認:
契約書を締結するには社内の意思決定をするが、その際に不明点を質問されて答えられなければ意思決定されずスケジュールが遅延してしまう。
- 指定様式の確認:
作成する資料に指定様式があることが後から分かると手戻りが生じてしまうため、事前に確認する。
以上の他、携わるプロジェクトに応じ様々な諸条件の事前把握があるため、全体スケジュールの立案時や最新化時に必要な諸条件も洗い出すとよい。
すべての段取りはつながっている
前項の(1)~(3)に挙げた段取りは密接に関係しており、まずは全体スケジュールの最新化を実施すれば、おのずとその他の必要な段取りが分かり、実施しなければいけないことが分かってくる。
そのため、定期的な全体スケジュールの最新化を実施することが真っ先に必要であり、重要である。

打合せ日の設定で自分が追い込まれる!?
私はよく打合せ日の設定をあえてしたくない思考におちいる。なぜかというと、打合せ日を設定することはすなわち、その日までに様々な準備をしなければならないことが決定され、自分を多忙なスケジュールに追い込むことになると考えてしまうからだ。(この思考におちいる自分に涙)
いつまでにこれをして、それをするために事前にあれをして、しかし、同時に別のタスクも実施しなければいけない、という多忙な状況を作りたくないのだ。これは私がマイペースだから、自分のペースで進めさせてもらえないことに非常に強いストレスを感じてしまうからだと考えている。
しかし、段取りをしなければプロジェクトのスケジュールに遅延が生じ、遅延をリカバリーするために、段取りをした時に予見できる多忙さよりもっと多忙な状況に追い込まれてしまう。そうならないためにもやはり段取りは重要なのだと思う。(頭で分かっていても心で抵抗してしまう自分に涙)
また、私の思考の悪いところは、段取りをする前にやらなければいけないタスクがいろいろと頭に浮かび、それを考えるだけで焦燥感と不安に駆られ「段取りよりタスクをしなければ!でも段取りもあるし、どっちもしたいけどどうすればいいの!」といわばパニックに近い状況に陥ってしまうことだ。

『段取り八分仕事二分』

前項のようなパニック的状態になったときこそ、段取りを組むことでいろいろなタスクの実施順序が整理され、また完遂させる見通しも立って頭の中がすっきりする。これにより焦燥感・不安の低減につながる。
そして、段取りを組むことでタスクを順序良くスムーズに実行できる。すなわちよく聞く『段取り八分仕事二分』ということなのだ。
以上のことから私は『段取りはとっても大事だからあえて時間をかけること』を肝に銘じ仕事に取組んでいきたい。
■この記事を書いて気付いたこと
結局、段取りとはスケジュール管理なんだと感じた。スケジュールの最新化をすれば、いつまでに検討して打合せをしたらよいかが分かり、その検討や打合せをするためには何をしなければいけないかが分かり、更にそのためには事前に何をしなければいけないかが明らかになっていく。そして、このスケジュール管理の繰り返しだと感じたからだ。
これからはとにかく目先にあるタスクに追われる焦燥感・不安を感じるのではなく、段取りを組んで頭の中をすっきりさせてから、立てたスケジュールを着実に推進することに集中したい。